職場が潰れる!?

1ヶ月の休職をきっかけに、仕事もようやくある程度できるようになり、上司にも「最近頑張ってるな」と言われるようになった。しかし、喜んでばかりもいられなかった。何やら、職場にただならぬ事が起きている、と感じたのは、融資先の銀行のお偉い方が、勤め先の病院を度々訪れるようになってからだ。

違う病院の院長などが、見学に来ることはよくある話だが、融資先の方が来るとは・・・何やら不穏なものを感じるものの、何しろ情報が少なすぎる。何が起こるかは、全然解らなかった。そして、自分が休みの日。家でのんびりしていると、友人から「お前、大丈夫なのか?」といきなりの電話。

「は?何が?」と返すと、「テレビ見てみ」と言われる。テレビをつけると、なんと、勤め先が移っており、理事長が記者団を前に頭を下げていた。画面の右端には「破綻!!」と書かれていた。

なるほど、こういうことだったのか・・・要するに、融資先の銀行は、立ち上げの際に融資をしたものの、「もはやこの病院に支払い能力はない」と判断し、他の経営者に破格の値段で譲り、経営を立て直してもらおう、という魂胆らしいのだ。法律上、「民事再生」というらしい。このニュースを聞いて、他の人は落胆し、泣いていた。

無理もない、民事再生の場合、職員は一旦解雇になるのだ。譲り受けた先の経営者が、「再雇用する」と言えば引き続き勤めることができるが、給与などの条件も全くわからない。ただ、自分は、こんな状況でもそんなにダメージを受けてなかった。「自分にはまだまだ底辺の時期があった」「あの時よりは全然マシだ」と思えるようになっていたのだ。

もちろん「底辺の時期」とは、うつ発病した頃のことである。人は、経験によって、身を守ることができる。自分にとっては、かなり辛かったし、もう二度と味わいたくない経験だったが、それがあるからこそ、他にどんな事が起きようとも、「あの時よりはマシ」「あの時立ち上がれたのだから、今回だって容易い」と思えるようになっていたのだ。心が強くなったのかもしれない。

そうして、他の部署の人達が「どうすればいいんだろう」とオロオロするのを尻目に、自分は再雇用されなかった事を考え、就職活動を始めていた。そうして、冬。私の部署は、全員譲渡先へ再雇用が決まったものの、他に、同期がいる病院への就職が決まり、譲渡先への再雇用は蹴り、同期のいる病院へ年明けから勤めるようになった。

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